轟き羽蟲殺し

部屋でダラダラとしながら俺は蚊を一匹叩き落として殺めてしまった。無益な殺生である。命を一つ殺めたのである。僕は彼女の遺体を丁重にゴミ箱へ弔ってやった。彼女は別に僕を殺すつもりは無かったのに。血の少しぐらいくれてやればいいものを。このように世の中はそれぞれのエゴを中心として動いているのだ。蚊であろうが獣であろうが人であろうが邪魔なものは潰す。世の定め。こうしてまた一日が。嗚呼、やるせない。