見捨てられ願望

僕は頭がオカシイので見捨てて下さって結構です。その方が諦めがつきます。そうすれば僕は寂しく終幕を迎えられます。どうぞ見捨てて下さい。もう生半可な希望が見え隠れするのは嫌なんです。絶対的な絶望の底で安堵したいのです。お願いですから。どうか僕を貴方の手で突き落として下さいませんか。ええ、本望です。心から望んでいます。見捨てて下さい。僕を人間としてではなく、蛆虫のように扱ってください。よろしければそこにあるナイフで僕の左胸を深く刺していただけませんか。ええ、そうです。意識がボンヤリしてきた。左様なら。