競馬場の税金でとても立派な建物です。

作詞ができないあまりに詩とは何かなどと考え始め、図書館へキーツを読みに行く。この辺りが私の悪い癖であり、そんなズレた頭の固さは多いに憂うべき短所であると共に私を私たらしめる特徴であるのだろう。
無精髭の男が平日の夕方に児童書コーナーの小さな椅子でギルガメッシュ叙事詩の絵本を読むなどといささか瘋癲地味た行い、視聴覚資料の案内用紙を印刷し毎度毎度大量の閉架資料を司書に取りにいかせる面倒な利用者、そんなことばかりなのであるが、図書館というのはとても不思議な場所であり、そうしたものを異物ではなくありのまま受け入れてくれる器量を持った真の公的空間なのだ。アゴラというかサロンというか、そのどちらとも違ってしまうのだが、智と賑やかさを大きく包み込むあの雰囲気がとても好きだ。ホームレスですら本を読むこの国の教育と福祉の美点である。臭いが。