コム・ア・ラ・ハディオ

ラジオから流れていたジャズがなんだかコルトレーンのようなことをやっていたのだが、どうもコルトレーンにしてはフレーズが整然とした、マイケル・ブレッカーほどシステマティックでない歌うようなフレーズで、ブランフォード・マルサリスよりは荒々しい、それでいてそれらに比肩し得る音が流れており、こいつは一体何者だと延々首を傾げていたのだが、正解は渡辺貞夫であった。
言われてみればあの若干のクサい歌い方はその通りなのだが演奏レベルやフィーリングがアメリカのものと区別がつかなかった。ピアノ、ドラム、ベースもハービー・ハンコックやらブライアン・ブレイドあたりなのではと思ったのだが全員日本人だった。
ナベサダは初期から今に至るまで常に第一線のレベルを保ちながら現役で走り続ける(本場アメリカのジャズメンは死んでしまったり体が衰えたり音楽性に変化がなかったりするのに)とんでもないミュージシャンだなと思い、ただただすげーすげーと絶賛してひれ伏すばかりである。


オチとしてはアルトサックスとテナーサックスの音が聞き分けられていなかった耳でそんなことを考えていたことだろうか。

加筆:ちなみにかかっていたの音源は渡辺貞夫カルテット、75年モントルー・ジャズ・フェスティバルのライブアルバムSwiss AirよりMasai Steppeであった そして再発もレア化してすげー高い。

スイス・エア
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渡辺貞夫
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