これまでのあらすじ

中途覚醒。仕方なくキッチンへ行き、固まった蜂蜜にお湯を注いで蜂蜜レモンにする。少し粉寒天を入れて腸と空腹への配慮も万全のものだ。
自室に戻ってそれをすすっていると頭の中で弦楽四重奏が流れ始める。たしかベートーヴェンのラズモフスキー第一番だったはずだ。引き出しからブダペスト四重奏団のCDを取り出してプレーヤーにかけるとスピーカーが正解を告げる。頭の中で奏でられていたものより少しだけピッチが低く、リラックスした音。蜂蜜レモンを飲み干すと私は布団で横になり、穏やかな心持ちでスマートフォンを手に日記を書き始める。