Christopher O'Riley / Second Grace: The Music Of Nick Drake

Second Grace: The Music of Nick Drake

World Village (2007-04-10)
売り上げランキング: 299329

Christopher O'Riley、Radioheadの楽曲をピアノに編曲して弾きこなすクラシックのピアニストなのだが、その次はNick Drakeときた*1。ジャズ畑ではBrad MehldauRadioheadNick Drake両者の曲をレパートリーにしている。(Radioheadだけに限るとジャズ畑ではRobert Glasperなども演奏しているが)
「声とギターのための音楽をピアノでやるなんて」と思う点がなくもない。フェルトのついたハンマーで優しく弦を叩く西洋音楽の究極兵器であるピアノと剥き出しの弦を爪やピックでかきむしる野蛮な民族楽器の代表であるギターは特性が異なる。しかしそれが裏目にでない。なかなか悪くないんだなこれが。確かにあぁいう類いの和音はピアノでは部が悪い、ところどころそんな点もあるのだが、それを補って余るほどのピアノのカバー可能な音域の圧倒的広さとオライリーの編曲、演奏能力。クラシック畑の人間はダイナミクスやテンポの上下による叙情性の表現力が違う。
メルドーよかこっちの方が圧倒的に好きだね。メルドーは結局自分の即興の素材にしているだけだから。
ドレイク本人の音源はとても狭くて内省的な、胎内回帰のような世界観だとしたら、オライリーの音源はどこまでも広がる開けた草原、それも青空ではなく薄曇りの空の下。同じ楽曲が違う広がり方を見せてくれる。原曲が素晴らしいのでクオリティはお墨付き。本家を聴き込んだらこちらもどうぞ。


True Love Waits: Christopher O'Riley Plays Radiohead

Odyssey (2003-06-10)
売り上げランキング: 107188
おすすめ度の平均: 4.5
4 レディヘの初期名曲集ピアノアレンジ
5 これは面白いです。
4 true love in its right place
5 散りばめられたクラシック/レディオヘッド
5 散りばめられたクラシック/レディオヘッド
レディへカヴァー集の一作目は文句なしに素晴らしい(二作目も悪くないが一作目には見劣りする)