エディプスに似て非なるもの

強迫観念の刷り込みを拭い去ることができない。どんなに気をつけても「○○しなければならない」「○○でなくてはならない」という亡霊が付きまとう。
ダメなものがある。物事に正解と不正解が存在するかのような絶対的価値観がどこかでよぎる。


そんなことは愚かしいのだと、言葉ではわかっている。感覚では未だ馴染まない。
二つとも父の口癖だ。あの人はなんて小さな世界で生きているんだ。その世界を僕にも植え付けた。
両親が年老いてゆくほどに柔軟性を失いディスコミュニケーションを繰り返す様は見るに耐えない。


唯一最大の恨み言だ。何年も考えているし、僕が知恵をつけるほどそれが明確に見えてくる。いずれは治るだろうと願って。