屈強なモンゴロイド

屈強な白人が右手から繰り出す波動には私たちを震え上がらせる何かがあった。事実、彼は触ることなく日本製の車を破壊してみせた。GMも大変なのだろう。気持ちはわからなくもなかった。わかりたくもなかった。
ただ、切り口は斬新だった。人間はこんなに脂肪を持っているのかという感動は未だに網膜に焼き付いている。ゆえに私は視界が邪魔されて人とぶつかることがままあった。一時期私は気に病んで母に相談したが、母は笑顔で私にVサインをし、その指を無言で私の両目に突き刺した。その日から私は大人になった。