今日からあなたもヘッドフォン娘! ヘッドフォン聴き比べをしてみた。

妹がAKG K240 Studio*1を買い、我が家のヘッドフォンが4つに増えました。
僕も2008年5月ごろから10ヶ月ぐらい延々とSONY MDR-CD900STを使い続け、これでPerfumeを聴いて耳が痛くなったり、自分で打ち込みをミックスする時も耳が痛くなったりしたのでここらでMDRの音がどんなもんなのか再確認することも含めて聞き比べをしてみました。

  • 聞き比べたヘッドフォン

SONY MDR-CD900ST(ミニジャックに交換のためイモハンダ改造あり)
SENNHEISER HD-25
AKG K601
AKG K240 Studio (新品)

  • 環境

DENON DCD-01650AL

  • 音源ソース

Massive Attack - Teardrop [Mezzanineより]
Nick Drake - Pink Moon [Pink Moonより]
Steely Dan - Peg [Ajaより]
Tujiko Noriko + AOKI Takamasa - fly2 [28より]
DJ Technorch - Japanese Hardcore [BOSS ON PARADEより]
Hardfloor - Strike Out [Home Runより]
The Offspring - All I Want [Ixnay On The Hombreより]
Metallica - Master Of Puppets [Master Of Puppetsより]
Herbie Hancock - Maiden Voyage [Maiden Voyageより]
泉こなた平野綾)、柊かがみ加藤英美里)、柊つかさ福原香織)、高良みゆき遠藤綾) - もってけ!セーラーふく [もってけ!セーラーふくより]
The Police - Message In A Bottle (Live) [Live!(Disc1)より]
Led Zeppelin - Custard Pie [Physical Graffitiより]
指揮:クレンペラー 演奏:フィルハーモニア管弦楽団 作曲:ベートーヴェン - 交響曲第9番 第1楽章
演奏:アルバン・ベルク弦楽四重奏団 作曲:ベルク - 抒情組曲 第1楽章 [93年録音]
D'Angelo - Playa Playa [VooDooより]
Perfume - ポリリズム [GAMEより]

評判:日本のスタジオの標準装備、全部の音域が綺麗に出る。全部の音がフラットに出る(と言われている)。密閉型。市場価格15,000〜18,000円前後。

SONY MDR-CD900ST
SONY MDR-CD900ST
posted with amazlet at 09.02.11
Sony
売り上げランキング: 6184
おすすめ度の平均: 5.0
5 顕微鏡のようなヘッドフォン
5 とても素直なヘッドホンです。
5 一家に一台、ヘッドフォンのメートル原器(笑)
5 30年に一度出るか出ないかの秀作の一品
4 唯一無二
"fly2"のグリッチ音、"ポリリズム"のイントロのFMシンセのアタック音や声全般、"Teardrop"の女性ボーカルなどなど、90年代00年代の派手なミックスは全て強烈に耳に刺さって痛い印象。
意外だったのが"Japanese Hardcore"の音が最もスカスカに、"Playa Playa"のバスドラとベースの超低音が最も大きくクリアに聴こえた点。
"Maiden Voyage"や"交響曲第9番"、"抒情組曲"などのジャズやクラシックなど過剰なミックスをしないジャンルは綺麗に聴ける。
長所としてはそこそこの解像度、全ての音域がクリアに聴こえるオールマイティーさ。代わりに前面に飛び出して全てベッタリと耳に張り付くような強烈さ、音場の奥行きのなさなどが欠点。
ここ一年ほどずっとこれをつけていたので耳がこれに慣れていたけれど、他と聞き比べてやはりSONY製ヘッドフォンらしい高音の強さがあることを実感。
ある程度フラットな音の感覚を身に付けるために現在進行形で色々お世話になっているけれど、毎日電車内のiPodでこれを使っていると耳を壊すし、リスニング用に使いたいかと言うとそれはNO。

評判:屋外PA用に開発されたらしく普通のヘッドフォンの中では抜群の遮音性。側圧も強力なので装着感には賛否両論。ロックやテクノに適したアタックのある低音と高音が評判。密閉型。25,000〜40,000円(現行品はHD-25 1-II)

ゼンハイザー クローズド型ダイナミックヘッドホン HD25-1:2
ゼンハイザー (2007-07-10)
売り上げランキング: 11723
おすすめ度の平均: 4.0
5 側圧に耐えられれば・・・天国
4 個性派の中の個性派
3 音質は良好です。しかし…
4 繊細な音調で高性能なヘッドホンと言う印象
"Japanese Hardcore"や"Strike Out"、"ポリリズム"などのテクノ、ハウス的クラブミュージックとの相性は最高。ドラムマシンのキックのアタックの音圧がガッツリと持ち上がってノリノリ。
"All I Want"や"Master Of Puppets"のような歪んだギターの刻みやラウドなロックドラムにも相性良し。高音も多すぎず少なすぎず適度に出て、ソリッドな音楽を聴くのにこの価格帯では最高のパフォーマンス。
"Pink Moon"のアコギのキラキラ感も損なわず、"交響楽第9番"のようなオーケストラも弦や管の音そのものはしっかり出してくれるので、ウォークマンiPodで聴く分には十分な音。音の広がりに関しては期待しないで下さい。
私のMDR-900ST基準になっていた耳だと、バスドラのキックのような中低音域*2の持ち上がりが強く、それより上*3は少し弱い印象。ギターやシンバルの高音はシャリっと出て、更にその上のプレゼンス*4は落ちてこもる。

評判:アメリカのスタジオで愛用されている(らしい)。繊細で長時間聴いても疲れない音。セミオープン型。市場価格17,000〜20,000円前後。(現行品はK240 mkII)

AKG ヘッドフォン K240 MK2
AKG
売り上げランキング: 12561
おすすめ度の平均: 5.0
5 デカ頭、メガネ御用達のAKGセミオープン。
"fly2"のシンセパッドの低音、"Peg"のバスドラムの芯の音などの超低音*5がとても綺麗に出る。セミオープン型の音場の広さによって低音が耳の少し下、顎の近くでうねるような響きがとても心地よい。
音のワイドレンジがとても広く、"Maiden Voyage"などのシンバルのキラキラとした超高音、プレゼンスもまた繊細な表現。"抒情組曲"では演奏者達の息遣いや弓を持つ手の音といった気配までもがしっかりと伝わってくる。
残念な点としては"Pink Moon"のアコギのキラキラが完全に死んでいた点。"All I Want"や"Master Of Puppets"等のロックも中低音、高音はほぼデッドで、エレキギターの超高音だけキレイに抜ける。HD-25とは出る音引っ込む音がほぼ逆になる。
高音の弱さはヘッドフォン自体の味付けとまだ新品でエージングされていない部分の両方が重なっている印象だったので評価を決めかねる。SONYは高音が出すぎ、AKGは高音が若干物足りない。

評判:上品で優雅、繊細で広がりのある音。開放型。22,000〜47,000円前後

K601 ハイエンドヘッドフォン
AKG (2006-04-10)
売り上げランキング: 70926
おすすめ度の平均: 4.0
5 疲れません
5 上品で繊細
4 驚きの高音質
4 K501の正当進化系
3 K501のリファインモデル、だがこの価格は・・・
"Peg"のクラッシュシンバルのシズルがサスティーンを残してゆるやかに消えてゆく音が鳥肌モノ。"fly2"のホワイトノイズを削った音も耳に刺さらない上品な音でありながらよく聴こえる。
上品と思わせながら"Playa Playa"の超低域ドラム、ベースをMDR-CD900STの次に大音量高解像度で再現するなど、上下ともに可聴域スレスレの音の存在感をけれん味なくストレートに。
圧倒的な解像度とワイドレンジ。上記3つより価格もワンランク上なので相応のハイスペックな音、AKG製なのでK240と基本的な味は同じだが圧倒的に繊細に伸びる音、よりフラットに全体の音域を表現。
開放型なので音場の広がりも圧倒的、クラシックやジャズ等のインスト音楽静かな女性ボーカルのポップスとの相性は完璧。好みによっては高音域が物足りないかもしれない。

  • 余談

"もってけ!セーラーふく"をヘッドフォンで聴いてみると実にバランスの取れたミックスで大変驚いた。
新・萌えるヘッドホン読本は観賞用としてはもちろん、ヘッドフォンレビュー本としても非常に良い本です。オススメ。

新・萌えるヘッドホン読本
岩井 喬
白夜書房 (2008-06-25)
売り上げランキング: 3792
おすすめ度の平均: 4.5
3 純粋なガイドブックとしては好みがわかれそう
5 アキバなヘッドフォンカタログ
5 ガイドとしても秀逸
5 萌えるだけじゃないですね
5 良いレビュー本だと思います

*1:現行品はmkIIなのに「金色がいい」という理由で旧型を買いやがりました

*2:200Hz前後?

*3:ボーカル、1kHz辺り?

*4:10kHz以上?

*5:100Hz辺り?