The Pentangle / Cruel Sister


えー最近知ったばっかりなのですが、ブリティッシュ・トラッドの血を引き、60年代後半から70年代初頭にかけて活動したフォーク・ロック・バンド、The Pentangleのライブ映像。
メンバーはバート・ヤンシュ(g,vo)、ジョン・レンボーン(g,vo)、ダニー・トンプソン(b)、テリー・コックス(ds,per,vo)、ジャッキー・マクシーの五人。Pentangleとは五芒星という意味で、つまりこのメンバー5人によって生み出される音楽の力(BECKっぽく言えばケミストリーわらい)を示しています。特にバート・ヤンシュとジョン・レンボーンという二人の凄腕ギタリストを擁していることが最も大きく、この二人のギタリストについてはニール・ヤングノエル・ギャラガーとかあとなんか沢山の人が絶賛しちゃってます。きっと上野洋子とか菅野よう子とか今堀恒雄とかアニソントラッドミュージックやってる人も影響を受けてるでしょう。たぶん。
ダニー・トンプソンとテリー・コックスの二人は英国のブルース、ジャズ系セッションでバリバリ言わせてた人間、ダニー・トンプソンのベースソロはビバッパーとはまた違う味が楽しめたり、渋い連中。
そしてジャッキー・マクシーの透き通る歌声。透き通るなんて形容詞はありきたりですが、これはとにかく聴けば分かるでしょうということで。


このクルエル・シスターはまたイギリス民謡らしい残酷な詩でして、二人の姉妹が騎士に求愛を受け、姉は騎士との愛を選ぶために妹を崖から突き落とし騎士と結婚する。その後旅の吟遊詩人が妹の亡骸を海岸で発見し、その骨と髪で竪琴を作り姉の家へ歌を歌いに訪れる。竪琴は悲しげな音楽をひとりでに奏で始め、姉の記憶を思い返させるという数奇な物語。三角関係とか殺人とか性倒錯とか平気で歌っちゃう民謡ってのはすごいですね。

クルエル・シスター(紙ジャケット仕様)

クルエル・シスター(紙ジャケット仕様)

そんな彼らが全曲ブリティッシュ・トラッドのカバーに向き合った4thアルバム。大好きだ。