しんしんしん

冷たい雨がしとしと降る日は大好きだ。傘もささずに自転車に乗り、指や顔から凍り付くような4℃の雨。指先から包み込まれるように死んでゆく。冷たい雨は雪よりも体を冷やし、雪のように景色や環境を暴力的に変えない。静かな音をたてて鈍色に染め上げ動きを止める。僕は死んでしまいたくなる。こんな日に穏やかに死ねたらどんなに幸せだろう。