ユリイカ2007年7月臨時増刊号 総特集=大友良英

ユリイカ2007年7月臨時増刊号 総特集=大友良英

菊地 ここは飯の話とは別に強調しておきたいけど、バブル期はノイズはイケてたんだよ。だって東京バーンでも、ノイズというか前衛はイケてたんだよね。バブルに合うんだよ。前衛とアフリカの音楽は(笑)。
大友 東京バーンで、クリスチャン・マークレーと100ターンテーブルとかやって、オレも出たりとか。
菊地 オレはアーバン・サックスで出た。
大友 あとサイキックTVが来たりとか、そういうのね。
菊地 西武資本がナム・ジュン・パイクとか呼んでる時代だから。
大友 バブルな感じだよね。

大友 それはバブル時代の団塊の世代が考えたことの名残もあるよね。彼らはサブカルチャーアンダーグラウンドカルチャーで育って、これは素晴らしいものだ、もっとちゃんとみんなに知られるべきだ、という際にどんな手法を使ったかと言えば、宣伝と金なんだよ。結局前の時代と何も変わっていなかった。それで保守化してひどいことになっちゃって、日本のバンドを売り出すのに日本の金で海外ツアーをさせて「アメリカで売れた」と言って、逆輸入をよそおうのとまったく同じ構造が小さいところでも起こっているだけのことでしょ。