TNT

ペンタトニックソロ弾き終えると先輩は僕をじっと見つめてきた。
「クロスロードって知ってるかい、チミ。」
「あぁ、ロバート・ジョンソンですか。」
「そう、十字路のアレがソレなのだよ。」
「でも、それがどうかしたんですか?」
「そりゃ、出るのよ。」
「へ?」
「悪魔よ。あーくーま。」
先輩のジョークにしては随分面白くない。
「先輩のジョークにしては随分面白くないですねぇ。」
「むぅ、信じておらんな。ついてこいっ。」
先輩は僕の首根っこをつかむとズルズルと引きずり出した。