音楽のはじめ (叢書・ウニベルシタス)

音楽のはじめ (叢書・ウニベルシタス)

100年前の民族音楽研究本。丁度蓄音機が発明されたばっかりの頃に「文明で原始人どもの民族音楽が失われる!」と収集、研究した最初のまともな本。
ブルーノートが中性三度、ポリリズムが複合拍子と「あぁ、100年前だなぁ。」と思わされる内容。ユニゾンと五度が多いという研究結果やらはまぁ基本として、面白かったのはアメリカンインディアンの音楽が歌と笛など(太鼓がほとんど無い)による5拍子や7拍子の音楽であること。五線譜は苦手なのでメロディは読み流してしまいました。


ディスコ、ハウスの系譜からデトロイトテクノまでを書いたマザーファッカーな本。裏テーマのブラック・サイエンス・フィクション*1も興味深い。普通にお勉強になりました。
「黒人」などとひとくくりにして言ってしまいがちだけれど彼らは「アフリカ系アメリカ人」であり、またヒスパニックやネイティブアメリカンの血が混ざっていて彼らの血は純粋なアフリカ人ではない。じゃあ「黒い」って何だ?なんてことを考えさせられます。
メインテーマのデトロイトテクノではURの反抗、彼等の精神が事細かに書かれていてURがカッコ良過ぎる。なんて軽く言えるレベルではなく資本主義について真剣に考えさせられる。


で、この二冊を読んで思ったのですがレアグルーヴに5拍子7拍子が多いのはネイティブアメリカンというもう一つのルーツの現れなのではないか?ということ。他にも考えたことは沢山ですが。

*1:アフロ・フューチャリズム