「これ、螺子が黒いだろ?ここだけ銀螺子と交換するんだ。3倍で買い取ってくれる。ボロい商売だろ?」
男の靴底はぱたぱたと秋風に翻弄され、でこぼこになった足の指が隙間から覗いた。お茶の水秋葉原の闇を仕切る若者はひょうひょうと口を尖らせながら、所々剥げた黄色やオレンジの箱の螺子を慣れた手つきで全て銀色に変えてしまった。