外食戦線異常なし

外食産業にパートタイムで従事しているわけだが、これは完全に軍隊の前線であると今日私は考えた。違うことは、殉死者がでない、人を殺さない(その変わりとして牛の死体を焼く)、ことだけだ。
僕は腰抜けの二等兵であり、それこそ実戦だったならば上官に名前を覚えられる前に死んでいる映画のエキストラのような存在としてそこに存在している。
店長や副店長は部隊の指揮官であり、階級で言うなれば大尉や少尉である。その上には司令官でありながら前線でも最強の中佐ような本部長などが存在する。
部隊の戦果は前線で戦う部隊の能力や士気によっても変化するが、無論上層部の戦略や作戦(店の立地や客層に対するリサーチやコストダウンと品質のバランスを保つメニュー、店全体の雰囲気などのトータルディレクション)が現場以上に勝ち負けを左右する。
ただ僕は右も左もわからずサブマシンガンの代わりに洗剤を撒き散らし、鬼軍曹にしごかれる。ただの一兵卒にすぎない。シモ・ヘイヘでもなく、ハンス・ウルリッヒ・ルーデルでもはく、ノルマンディー上陸作戦でヘルメットごと蜂の巣になった連合軍の兵隊のように。