弦カル。

ベートーヴェン弦楽四重奏曲は素晴らしい。
激情を表現した交響曲と異なり、バロックのような厳格さを持ち合わせながらもベートーヴェンの内観を叙情的に描き出す自在な側面を持ちあわせている。静かなるダイナミクス
つってもまー17曲も聴けていないので、お気に入りの第15番と、あとはラズモフスキーから下って行こうといった具合。7番が始まった瞬間に溶ける。


弦楽四重奏というのは不思議だ。オーケストラは調和、もしくは指揮者とオーケストラの対立、協奏曲はソリストと指揮者の対立という2点のパワーバランスとなる。
室内楽においてもソナタは楽器とピアノの二人による2点、もしくは独奏であり、ピアノ三重奏もまたそれぞれの名手が調和しつつも競い合う3点の力によって生み出される。
弦楽四重奏は4点だ。個々のスタンドプレーではなく全体の息によって音楽が生まれる*1。イタリア弦楽四重奏団は果たしてそうだったのだろうか。クラシックの扉は大きくまだ遠い。

*1:もはや久石譲の映画、カルテットの中身など忘れてしまったが。