少女は、疲れ果てていた。心の半分が悪くなって、腐れて、蛆が湧き、中から骨が見えた。悪くした心は切り取って捨てないと。捨てないと。少女の母は、少女の腐れた心の半分を果物ナイフで削り取って捨てた。苦痛により漏れ出たうめき声は母には聞こえなかった。少女は開ききった瞳孔で虚空への焦点も合わず、涎を垂らす。涎垂らす。